アムゼルの個人的撮影生活とその結果報告および若干の意見など

X-T10によるヴァレンシア光蜥蜴1

さすが地中海地方だけあってヴァレンシアの気候は素晴らしかった。

氷雨と霰の降るわがライン低地地方から飛行時間2時間ちょっとで

着くとそこはもう夏だった。気温26℃、わが地方との気温差15℃~!

スペイン本土に上陸するのは今回が初めて

マヨルカ島とテネリファ島しか滞在経験がなく、本土はマドリッド空港で乗換たことがあるのみ。

なんだかうれしい。

還暦をすぎた爺がそれほど単純に喜ぶことがそれほどあるわけではない。

土地との相性がいいのか、なにか他所へ来たという感じがしない。

学会参加の家内は当地でも多忙だが、こっちはただの暇人、撮影三昧の日々が始まった♪


2日目の朝、学会のある大学へ向かう家内と途中まで同道する。

とある橋

その下はもと川が流れていたがその昔ひどい洪水があって被害もは甚だしかったということで

ヴァレンシア市では別に運河を開削し、もとの川を堰き止め公園にしてしまったという。

橋の上からもとの川を見下ろす。


morning walk in Jardín del Turia <Valencia light & shadow>


朝から陽射しをうけて犬を散歩させる老人がうらやましい。

うらやましさの核心はもちろん陽射しである。

暗くあくまで暗い冬はむろんのこと

3月でさえぐずぐずと厚い雲が居残るドイツの呪われた土地から見ると

こんな陽射しさえが実に実にうらやましいのである。

その同じ橋を夕方通った。

光はやはりある

こんな、ここでは当たり前のことが地獄の底のような北ヨーロッパからきた者にとっては

何よりも恵なのである。


evening light on Puente del Real <Valencia light & shadow>

この橋を

Puente del Real

という。

Realは、英語ではRoyal、

つまり王室の橋である。

フェリーぺ三世の婚姻を祝って1595年に懸けられた橋ゆえそんな名がつけられたらしい。

わが国ではまだ関ヶ原の合戦が始まっていないころだ。

スペインでは斯くの如く歴史が石にしみついてあちらこちらにゴロッと露出しているのだ。

橋げたの下を自転車に乗った子供が二人勢いよく走って行った。

みんなシエスタをしているから夕方から元気になる。

よい習慣である。






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# by amselstillalive | 2016-05-08 21:42 | ヴァレンシア | Comments(6)

X-T10によるヴァレンシア観光写真篇・続

※<観光写真篇>に掲載する画像は、FlickrにアップロードしたもののURLを貼りつけてはいますが、プライベートに限定しています。ゆえに、クリックされてもFlickrに飛びません。

さて、もう一回だけ(たぶん)<観光写真篇>でヴァレンシアの紹介をすませて本番にはいります。

しかし本番とは何か、という本質的な疑問はつねにぶら下げたまま。


015.gif


スペイン、光と影(luces y sombras)

これが年少のころより染みついたスペインに対するイメージだった。

これはおそらく堀田善衛の『ゴヤ』(およびその他のスペインに関する書諸著作)のせいだと思う。

著者とその著作については長くなるので今はふれない。年少のころと還暦を過ぎた今では当然違った見方がある。それについては、おいおいふれることもあろう。


DSCF6377


これはヴァレンシア大聖堂の中の一礼拝堂にある

『悔悛しない瀕死の病人に付き添う聖フランシスコ・ボルハ』というタイトルをもつ、ゴヤ初期の作品である。

堀田のこの作品にたいする評価は低いが、ただし瀕死の病人の枕元で死をまつ三匹の化け物が、後の「黒い画」の萌芽が見られると指摘している。

慧眼の士はすでにおわかりのことと思うが、わたしの今回のヴァレンシア撮影三昧のテーマは

光と影(luces y sombras)

なのである。

敬愛する黒顔羊師匠ならこれを、光蜥蜴、と呼ぶ。師匠の顰に倣ってわたしもこのシリーズを

ヴァレンシア光蜥蜴、と名付けるよう。

さて、このゴヤの作品がある大聖堂こそヴァレンシアの中心であって、そこから旧市街はすべて徒歩で到達できる範囲にあり
わたしの撮影もこの旧市街内にほとんど限られ日がな一日とぼとぼと光蜥蜴を求め追いつづける行程であった。


ヴァレンシア大聖堂をレイナ広場から望む
DSCF6402

大聖堂内部正面
DSCF6368


堀田善衛は第一次戦後派とジャーナリズム用語で呼ばれる文学者の一人だった。戦前戦中のリベラル派であり共産主義者ではなかったが「反天皇制」の共和主義者だった。

件の『ゴヤ』も朝日ジャーナルに連載され後に単行本化されたのだが、若く愚かなわたしはそれを朝日ジャーナル紙上で愛読していたものであった。

いま、40年の歳月を経て『ゴヤ』を再読するとその左翼リベラルの臭みが堪えがたい。

しかし、ゴヤを生んだ18世紀から19世紀にかけてのスペインがいかなるものであったか?凡庸で紋切り型の偏見的スペイン像とはちがった、そしてそれを打ち崩したのが『ゴヤ』であった。その評価は再読後も変わらないし、堀田への敬愛の念はいっそう新たなものとなったのである。それはその政治的立場には一切関わりがない。

と、いまのところはとりあえず記しておいて先に進もう。

次回からは

ヴァレンシア光蜥蜴 

を楽しんでいただければ幸いです。







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# by amselstillalive | 2016-05-07 18:11 | ヴァレンシア | Comments(4)

X-T10によるヴァレンシア観光写真篇

さてヴァレンシアと聞いてわが国人が思い浮かべるのは
1)地中海に面した港町
2)オレンジ
3)パエリアといったところだろうか?

3)はまさにパエリアの故郷でありどこにいってもパエリアはありつけるし、実際日に一度はパエリアを食することを旅行中の目標にしていた。

DSCF6409


2)は半分正しい。世にいうヴァレンシア・オレンジは実はカリフォルニア産であってスペイン産ではない。しかし柑橘類は豊富にある。

DSCF6538



1)は全くの誤解である。ヴァレンシアは海岸から6キロも内陸に位置している。しかし一度乗り換えるが地下鉄で海岸近くまで行ける。市内中心部から30分もかからない。

DSCF6576


あらかじめお知らせすると、今回掲載する画像は、いつもどおりFlickrにアップロードしたもののURLを貼りつけてはいるが、しかしこれら観光写真を全世界に公開するのは恥ずかしいのでプライベートに限定しています。ゆえに、クリックされてもFlickrに飛びません。

実をいえば、わたしも、1)と2)については見事に誤解をしていたのだ。

とくに、1)についての誤解は皆さんも同様ではないか?

上の画像でも見られるように海岸はリゾートとして美しく整備されており、100メートルほど波打ち際はまであろうかという幅広い白砂のビーチが北へおよそ2キロはあろうかと見えるほど続いている。この海岸も今はヴァレンシア市に属する。ゆえに全くの誤解というのは言い過ぎで、これも半分正しい、としておこう。

この美しきリゾートの夏の賑わいが容易に想像できるが、3月末では海水の温度は水浴に適さない。それでもビーチで日光浴を楽しむ人々が散見された。

なにしろ気温が25℃をこえていたのだ。

不安定で雲が多く氷雨や時に霰も降るライン低地地方からやってきた者にとってはまさにパラダイスというしかないヴァレンシアであった。







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# by amselstillalive | 2016-05-06 19:31 | ヴァレンシア | Comments(6)

ヴァレンシアでX-T10に慣れる

初めてのヴァレンシアということで新しいカメラまで買ってしまったのだが、

さて普通は使い慣れた機材でないと失敗する確率が大きいので些か無謀なことではあった。

初撮りというわけにもゆかず、復活祭をいつもどおり家内の実家で過ごしたおりに筆降ろしはしたのだが

その結果があまりよくなかったのだ。どうもコントラストが低すぎる。

たとえば、↓


The house on hills of the setting sun


ということで、これはこれで中間部のトーンが厚くまあよい雰囲気に撮れてはいるが

わたしとしてはもっとハイコントラストのイメージが欲しかった。

しかしX-T10にはコントラスト調整ダイヤルなどというものがいくら探してもない。

そこでヴァレンシア出発前のわずかな時間にネット検索やらハンドブックをめくるなどして

とうとうみつけましたね、

これにやっと気づいたのがヴァレンシア一日目の惨憺たる結果にがっかりした後のこと。

実はこのカメラ、「ハイライトトーン」「シャドートーン」でコントラストを調整するのでありました。

また、「フィルムシュミレーション」との組み合わせで様々なバリエーションを生み出す仕組みらしい。

そこで、X-M1にはまだなかった「クラシッククローム」を選び、「ハイライトトーン」「シャドートーン」ともに「+2」に調整し

ハイコンにして撮ったのがこれ


time still goes on <Valencia light & shadow>


これでもまだコントラストが不足しているようだが・・・

さらに後の祭りで大失敗だったのが

ほとんどJPEG撮りでRAWを残したものが少なかったこと。

Fuji Xシリーズは「フィルムシュミレーション」が優秀でRAW現像してもオリジナルJPEGには及ばぬ

という風説がまかり通っているのでそれに毒されてしまったのだ。

しかしこのことは帰宅して後、PC画面を見ていてやはり色々調整したい部分がままあることを知って初めての感想だった。

なんだか大損をしたような気分だが、しかしもう取り返し、いや撮り返すわけにはもう行かぬ。

次回は全部RAW+JPEGにする、とこころに誓ったのである。






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# by amselstillalive | 2016-05-05 18:26 | ヴァレンシア | Comments(7)

X-T10導入によりブログ再開

Valencia、どうかバレンシアはやめてヴァレンシアと発音して欲しい。

そのヴァレンシアに行く機会があった。もう一月前になる。

当地から2時間15分のフライトである。

この都市は昔から気になってはいたものの何故か訪れる機会に恵まれなかった。


Valencia


旅行が決まってからどの機材をもってゆくか悩んだ。

D610はもうまる2年以上使用して満足してはいるが

しかし旅行にもちだして日がな一日持って歩くのは辛い。

こっちももう還暦過ぎの老人なのである。

そこでセンサーに惚れ込んでしまったFuji X-M1という選択もあったが

しかしX-M1ではファインダーがないのがどうも使いにくい。

さらにあれこれ思い悩んだ結果

X-T10にした。新規購入である♪


Fujifilm X-T10+XF27mmF2.8+step up ring 39-49mm+lens hood of Pentax DA40mmF2.8 Limited


おりからFujiドイツはキャッシュバック・セールを始めたので

XC16-50キットレンズつきにした。

このレンズはX-M1で使ったことがありその高精細な描写性能は優れていたのだったが

チープな作りが嫌になり手放したものの

Ver.2・0になったものを再度ゲットしたわけだ。

上の写真ではXF27㎜パンケーキを装着している。

オリジナル・レンズフードがないのでPentax DA40mmF2.8 Limitedのものを

借用している。これがよく似合う♪

で、旅行と撮影結果は大いに満足しており。

その結果は一月来Flickrにてアップロードしている。

アルバム<Valencia>


ほぼ一年前に放置モードにした
アムゼルくんの世界 Die Welt des Amselchens だが

またぞろブログで何か書きたくなってきたので

場所をあらためて再開することにした。

タイトルはよりましなものが思いつくまで今のままで行きます。

よろしければまたおつきあいのほどをお願い申し上げます。






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# by amselstillalive | 2016-05-04 18:29 | ヴァレンシア | Comments(12)